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137 電波大系ジュラハザード第6話
2003.5.28(水)18:53 - 夕 - 5797 hit(s)

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第6話『刺客』


「あれ?」

本来現れるはずのハンマーの変わりに、虚空をわきわきと握りながら
呆然とした様で小首をかしげるじゅらい。

「どぅいうこと?」

そのままのポーズで一同の方へ振り向くが、同じく呆然とした表情。

「もしや本当にス○ラー波のおかげで特殊能力その他が・・・?」
「いや、ちょっと待って」

つぶやくゲンキに待ったをかけるクレイン。
彼は懐から取り出したスターファイアーのメインプロジェクターを覗き込み、
何かを確認して一つ頷くと、

「なるほど・・・。どうやら強力な術とか特殊能力のみが封じられているみたいですね」
「じゃぁ、普通の”こと”はできるのね?」
「というか、普通以下のことしか出来ないみたい。さっき召喚神のリストを調べたんだ

けど、下級以外のやつは何故かロックがかかって召喚できなくなってたし」
軽く肩をすくめ、お手上げのポーズのクレインに、ルネアは「むぅ」と渋い声でひとつ呻くと
気を取り直すかのように髪を掻き揚げると

「まぁ、使えないものは仕方が無いわね。と、それより今はあのホワイトワイバーンたちを・・・」

そういって自分達の頭上を飛び交っている白い飛竜たちを・・・。

『あれ?』

ルネアの言葉にならって空を見上げた一同一斉に同じ言葉を発する。
いない。あれほど無数にいた飛竜たちが一匹も。
なぜっ!我々は幻覚を見ていたというのか!?うっそ、信じらんないっ!!??

「いや、あっちに飛んでってるお?(笑)」

先ほどまで気を失っていた星忍ちゃおが後方を指差しながら呑気にこたえる。
どうやらス○ラー波についての講義に辟易して彼らは移動したようだった。

「違います(爆)」
「みのりさん?どうかしましたか?」
「あ、いえ、ちょっと微弱な電波を受信しただけですびょ?」
「そうですか。なら平気ですね(平然)」

怪しげな方向につっこみを入れるみのりに対してつっこむゲンキ。
それをまた軽やかに返すみのりにこれまた軽快なゲンキ。
実に鮮やかです。

「みのりさーん、ゲンキ殿ー。何してんのー?先いっちゃうよー」

いつの間にか、ダチョウから巨大な鳥(種別不明)に変化した幾弥の背中の上から
声をかけるじゅらい。どうやらとりとめも無いことについて話してるうちに
彼らはホワイトワイバーンを追いかけることにしたようだった。他の皆もすでに
幾弥の背に乗っている。
しかし、あの僅かの会話の間にそんなことが可能か?いや可能だ(反語ではない)
これも電波の成せる業か。神妙な面持ちで深々と頷きつつゲンキとみのりも
幾弥の背中に乗る。

「しかし、今回私は完全に運搬係りですな・・・」
「はっはっは、何を言ってるんだいいくやーん。君は今回どころか毎回運搬係り
じゃないか」
「んだとぅ。やんのかゴルゥァ(`Д´)ノ」
「はいはい。漫才はそのくらいにしてさっさとあいつら追いかけてよ。見失っちゃうじゃないの」
「へーい。んじゃぁ皆、しっかりつかまっててくださいよー」

そういって一つ大きくはばたくと、じゅらい達をのせた幾弥はホワイトワイバーンの群れに
向かって飛び立った。


一時間後。

「で、彼らはいったい何処に向かって飛んでるでしょうねぇ?」

あれからホワイトワイバーンに気づかれないよう、距離をとって追跡をしていた
のだが、彼らにはどうやら明確な目的地があるわけではないようだった。というか
むしろ目的地を探しているようだった。

「さぁ・・・。少なくとももうしばらくはこうやって追いかけっこを続けなきゃ
いけないみたいですよ。彼ら着地なんてする気なさそうですし」

ゲンキの問いに、未だ高度を保ち続けているワイバーンたちを目で指しながらこたえる眠兎。

「そういうわけで、いくやーん。もうちょっと飛んでもらうことになるけど大丈夫?」
「あー。まー。そりゃいいんスけど。ところでじゅらいさん」

乗り出しこちらをのぞきこんでくるクレインにとぼけた調子で返事を返すと、じゅらい
の方へ視線を向けるような感じで声をかける。

「なに?」
「なんであいつら追っかけることにしたんですか?」

当然といえば当然の質問。

「決まってるじゃないかっ!」
「?」
「拙者の心の電波がそう叫んだ故」

こちらも当然といえば当然の返答。

「平たく言うといつものノリですか・・・」
「君はたまに見もふたも無いこと言うね。でも怪しいと思ったのは本当だよ。
あれだけの数のワイバーンとあの噂(第一話参照)。きっと何かあるはず・・・」
「じゃぁそこに私達の目的の品もあるわけね?」
「そりゃどうかわかんないけどね」

嬉々として身を乗り出したずねるルネアに困った顔で返す。

「なんだ。やっぱりいつものノリじゃん」
「うるさいなー。そんなことよりいくやーん。彼らどうやら降りる気みたいだよ」

見ると、先頭の方のワイバーンたちが高度を下げ降下をはじめる。
それにならって後続のものも次々と降下していく。

「あそこはっ・・・クロヴェ・ダム!?」

ワイバーンたちの降下先を遠めで眺めていたゲンキが驚愕する。

「ゲンキ殿、知ってるのかい」
「ええ、少し。でもなんであんな何も無いところに・・・?」
「ま、降りてみればわかりますよ。幾弥さん!」
「りょーかーい」

一定の距離を保ちつつ彼らの周囲を旋回していた幾弥は一つ頷くと、すべてのワイバーンたちが
降下し終えたのを見計らって、同じく、彼らから離れた場所に降下する。


ざむっ。

「っと。しかし本当になんだってこんなところに・・・」

幾弥の背中から飛び降り、あたりを見回しながらつぶやくゲンキ。
ワイバーンたちはどうやら凍った湖面の上に”何か”を中心にして集結しているようだった。
しかもあれだけの数が乗っているにもかかわらず湖面の氷はまるで割れる
気配などない。かなり奇妙な光景である。

「どう、ゲンキさん?」
「むぅ・・・なんとも言いようがありませんねー。とりあえずもう少し接近してみましょうか」

後ろから聞こえてくる、ラヴラヴウェーブ「みのりちゃん、怖くない?」
「うん、眠兎くんが手をつないでいてくれるから平気」「じゃぁ二人で一緒に降りましょうか」
などといった会話一部始終を、クレインに返答する形で聞き流すと、ゲンキはワイバーンの群れに
近寄ることにした。

(気づかれませんように気づかれませんように気づかれませんように)

心の中で呪文のようにつぶやきながら、じりじりと近寄る。他の皆もついては
来ているがゲンキからは遥かに距離がある。

『みんな冷たいや』

同じく心の中でそうつぶやくと、ゲンキはなおもワイバーンたちに近寄った。
その距離、およそ200メートルも無いだろう。気分はほとんどスネーク。
アクションボタンが無いのが残念だ(謎)。
がタイミングが悪いときは往々にして重なるもので。

「ふぇぁ・・・」

キター!きましたよ!またですかー!しかし今度は耐えてみせますよ!
固い決意を胸に姫、なんだかよくわかんないけど、とにかく両手を鼻に
あて伝説の肉のカーテンのポージング。これでもう大丈夫。ほーら
だんだん鼻のむずむずも収まってきました。
心の中のゲンキの勝利を祝う100人のゲンキ’ズの拍手喝采を聞きながら
ゆっくりとガードをおろすゲンキ。その時。

ぷひゅぅぅぅ〜

凍った湖面の上をすべるように冷たい風が吹き抜ける。

「へ、へくしょぉぉぉぉぉぉぉぃっ!!!!」

予備動作無しの、一回ないし数回痙攣状の吸息を行った後、急に強い呼吸を
発する運動(広辞苑抜粋)、つまり、これ以上ないくらい見事なくしゃみをぶちかます。
『やっちまったよ、とっつぁん(誰)・・・』
クロヴェ・ダム一帯にこだまする、自分のくしゃみの残響音が、まるで死の宣告のカウントダウン
のようですじゃのぅ。そんなことを思いながら、ゲンキはちょっと鼻水が垂れた顔をゆっくりとあげる。

「あれ?」

自分の予想したものとは違う結果に唖然とする。
ワイバーンたちはこちらに襲い掛かるどころか、まるで気づいてもいない様子で、ただひたすらに
湖面の中心にいる”何か”を覗き込んでいるようだった。

「いったいどういうこと?」
「ぅわぁぉぅ!??!!?」

いつの間にこちらに来たのか、ゲンキの横で訝しげに首をひねっているルネアに驚愕の声をあげる。

「どうやら、あそこに何かあるみたいだね・・・」

同じく近寄ってきているじゅらいたちも一様にワイバーンたちが見つめるその一点に目を向ける。
ここからではまだ遠めでよく確認できないが、どうやら”誰か”が立っているようだった。

「行ってみるしかないか・・・」

生唾をぎょっくんとオーバーリアクション気味に飲み下しつつシリアス顔でクレイン。

「でも危険ですよぅ。あれだけのワイバーンたちがもし襲ってきたらどうするんですかー?」
「スタよ、昔から言うじゃないか『墓穴に入らずんば誇示を得ず』って」
「激しく間違ってる上に、ヤな言葉だお」
「とにかく行ってみましょ。ここでこうしてても埒があかないし」

星忍たちの三位一体のボケをかわし、みのりが一歩踏み出す。
それに習って、他のものも頷くと同じく一歩踏み出そうとするが。

「皆・・・待って!行っちゃいけないっ!!」

どこからか、よく知った声が聞こえてくる。

「nocさん!!とその他の常連さんたち一同!!!」
「ひどいや・・・」

クレインの言葉に、無様に倒れ伏したままの格好でポツリともらす一同のうちの一人レジェンド。
じゅらい達は慌ててそちらに駆け寄る。どうやら外傷らしい外傷はほとんどないようだった。というか
ほとんど無傷の状態だった。
しかし舞台は凍結しただだっ広い湖面の上にほとんど何も無い場所のはずなのに、連中は
なぜ最初に気づかなかったのだろうか・・・?

「きっと保護色だったからだお」

なるほど(納得)。

「どうしたのっくん!誰にやられた!!」

じゅらいは漢らしく、がっし!とnocを抱き起こすと激しく揺さぶり、事の次第を問いただす。

「うぁうぉうぁうぉうぁうぉぅ、気をつけろろろろ、相手はいも・・・げふぁっ」
「のっくん・・・?のっくーーーーーーーん!!!おのれよくものっくんをっ!!!」

気を失ったnocをずがしゃーんと地面に豪快に落とすと大号泣。

「いや、直接の原因はじゅらいさんの揺さぶり攻撃だと思うんですが・・・。無傷でしたし」
「おりゃーーーー!犯人でてこいやーーーー!儂がいわしちゃるけぇのぉーーー!(´ρ`)ノ」
「あ、ちょっとマスター!一人で行っちゃ危ないってばっ!!」

頼もしげなんだか頼りないんだかよくわかんない表情で”誰か”のところに駆けていくじゅらいを
慌てて追いかけるルネア。

「ひたすら勢いですなー(笑)」
「全くですな(笑)」

ポツリともらすと他の8人もホイホイとあとを追いかける。
倒れたほかの常連たちを放置して・・・(ひどい)


「どこよーーーー!カネダのバイクーーーーー!!!・・・はっ!!???」

僅か3秒にして目的を忘却して暴走していたじゅらいは、突如自分の前に歩みだしてきた
”誰か”に驚愕の表情で動きを止める。

「会いたかったよ、──ちゃん」
「き、君はまさか・・・チェザ!?(爆)」

こちらを見返してくる真っ赤な瞳に、条件反射的にこたえるじゅらい。
その言葉が聞こえたのか聞こえていないのか、ともかく少女はにこりと微笑むと

「会いたかったよ、格好よくて優しくて、とてもすてきな世界にただ一人のお兄ちゃん(核爆)」
「そんな、まさか・・・『12人の妹達(シスター・プリンセ○)』からの刺客だというのか・・・!?(爆滅)」

ぶるぶると嫌な汗をかきながら、じゅらいは名状しがたい表情で打ち震えた。


続け(笑)


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